大きく分けておくと、面接を受けに行くのを辞退する場合と、合格はしたものの入社は拒否する場合があるので、この2つを区別して考えておきましょう。また、新卒採用であるのか、中途採用(転職)であるのかによっても、断り方は変わってきます。
それでは、まずは面接を受けるのを取りやめるケースから見ていきましょう。
面接を受けるのを断る
1次であるのか、2次面接以降であるのかによって話が若干変わってくるものの、基本的に企業の側でもある程度の辞退者が出るのは承知の上なので、あまり重く考える必要はありません。1社に絞って活動している人はまれなので、他社に人材を奪われるリスクは、どの会社も把握しているのです。
原則として、面接の断り方としては電話かメールを用います。電話であれば、人事や総務を指定するのではなく、採用担当者につないでもらいましょう。それが一番話をスムーズに進ませる方法です。その上で、チャンスを与えてもらったことのお礼と、辞退する旨を伝えてください。メールであっても、文面で同様の内容を伝えましょう。
一昔前であれば、メールでは断り方として失礼と考える人も少なくなかったものの、ここまで普及すると気にしなくなってきます。むしろ、生の声を聞いて説得されたら心が揺らいでしまったり、面接を受けに行かないことに心を傷めるようなら、メールで済ませてかまわないでしょう。結局のところ、企業としても電話で担当者の時間を割かなくてはならないよりも、縁のなくなった入社候補者からの連絡は効率を重視したい本音もあります。
もっとも迷惑なのは、何の連絡もなしに面接に現れないことです。担当者が待ちぼうけになってしまい、その時間に行えた業務がとどこおるため、相手の企業に損害を与えてしまうので、できるだけ早くに対応しておきましょう。
就職活動、あるいは転職先探しは何社も同時並行で進めるのが基本なので、たとえば2次面接の日時が重なってしまうこともあります。そんな時には、しっかりした断り方さえすれば失礼ではないので、優先順位を付けて対応しておきましょう。また、こうした場合には日時を変えてもらう方法もあるものの、どんな言い訳をしても企業の担当者から、他社に行くと思われることは覚悟しなくてはなりません。
面接の後の入社の断り方
採用通知が届いたものの、必ずしも入社したいとは限りません。他にもっと良い条件の会社の選考が残っていたり、面接を受けているうちに望ましい企業体質や環境ではないことがうかがえることもあります。
企業としては、面接に合格した以上は入社してほしい気持ちはあります。その一方で、辞退者が一定の割合で出るのも現実として把握しているので、驚くようなことはありません。よほど非常識な断り方でない限り、すべては想定内と考えてください。
一般に新卒者の方が面接が終わってから辞退するためのハードルは、やや高めです。これは会社説明会や面接の回数等が転職の場合より多く、お互いに多くの時間と労力を割いた結果であることと、学校という後ろ盾の評判にも関わるためです。転職者であれば、相手の企業で働かないと決めた段階で全く無関係になるのに対し、新卒では学校の就職活動の担当にも響いてくるのです。
新卒採用の内定の辞退においては、一部の会社では実際に会って引き止めることもあります。しかし、多くは電話やメールで済みます。担当者としても忙しい中、わざわざ謝罪を受けるために時間を割きたくはないためです。
転職であれば、ほとんとは電話かメールで済みます。優秀な人材ほど引く手あまたなので、同業他社をはじめとした様々な企業が狙っているのは明白で、そこは採用担当者も把握しています。面接に受かっても、本当に入社してくれるかどうかは不透明と考えるのは常識なのです。
企業は辞退者が出たのに応じて再募集をかけたり、現在面接を行っている他の人の順位を繰り上げたりする必要が出るので、辞退は早急に申し出ておきましょう。ひどい断り方として、入社当日の朝にメールを送ったという話もあるものの、こうした行為は推奨できません。中途採用なら、改めて募集広告を掲載しなくてはならなくなる恐れもあるので、そうした被害を引き起こさないようにしてください。